土銀SS 『 ぴかぴか 』
2018年07月06日
かつて坂田銀時を、秘密裏に調査したことがあった。山崎に命じても、奴はまともな報告書を寄越さなかったのだ。表立った嫌疑がかかっていないためか、はなから坂田銀時をシロと判断していたのか、とにかく使えなかったので俺が単独で調べたのだ。
書棚を整理していたら、当時の記録が出てきたので読み耽る。聴取した相手は確か、奴がよく出入りする呑み屋かパチンコ店の客。
「万事屋に子供らが入ってから銀さんは変わった」「よく笑うようになった」「それまでも気のいい奴だったが、どこかぼんやりしていて掴みどこがなかった」
当時俺が知りたかったのは、奴の日頃の習慣やつるむ仲間の顔ぶれだ。主に桂との関係について。それなのに、彼らはよほど万事屋のその変化が印象深かったのか、皆くちを揃えて言うのだった。特におかしかったのはこれだ。
「あの子らが入ってから、ピカピカときれいになった」
拾われた捨て犬じゃあるまいし。
俺はつい吹き出してしまう。当時はくだらねえ、めぼしい情報は何ひとつねえなとこの記録を書棚の奥にしまいこんでしまったが、今読めばなかなかどうして、愛しいではないか。