土銀SS 『 出会い 』
2018年07月06日
バイト先の居酒屋で、白髪頭の客と話すようになった。ちっともおかしくなさそうに笑うのが妙で、同時に色っぽくもあった。まだ10代の俺にはてんでわからないながらも、男の色気などというものは果たしてどのように備わるのかと、彼を見る度に少し知りたくもなった。

バイト先の居酒屋で、白髪頭の客と話すようになった。ちっともおかしくなさそうに笑うのが妙で、同時に色っぽくもあった。まだ10代の俺にはてんでわからないながらも、男の色気などというものは果たしてどのように備わるのかと、彼を見る度に少し知りたくもなった。
「俺、こないだ初めておでんを作ったんだ。そこで白はんぺんってのを入れたら、煮込めば煮込むほどふわふわ膨らんで、押し込んでも押し込んでも、ぷかぷか浮いてきやがる。太ぇ野郎だとおたまであしらったら、今度は簡単にやぶれちまって、なんて繊細な奴だと思った…誰かに似てやがるなって…そうだ。お前だよ」
どこかで何かが起きたのだ。そしてこんな時間にも働いている人間ってのはいるもんだなぁ。ご苦労さんだよ、全く。
何気ない一言ではあった。これまでも似たような言葉はぶつけてきたし、そもそも俺たちにタブーなど無いと思ってきた。だが親しき仲にも礼儀あり。更には、ヤツの虫の居所も悪かったか。
冷蔵庫から牛乳を出せばマヨネーズを取りに来た土方に撫でられ、トイレから出てきたら入れ違いで入る土方に撫でられ、洗面所で歯を磨いて、うがいをしようと屈んで尻を突き出せば撫でられ。洗い物をしていて両手がふさがっている時なんか、服の上からジャストフィットで尻穴に指を当ててくる。
かつて坂田銀時を、秘密裏に調査したことがあった。山崎に命じても、奴はまともな報告書を寄越さなかったのだ。表立った嫌疑がかかっていないためか、はなから坂田銀時をシロと判断していたのか、とにかく使えなかったので俺が単独で調べたのだ。